第13回読書会 minori編

佐々涼子・エンジェルフライト国際霊柩送還士

国境を越えて遺体を家族のもとへ送り届けるのが国際霊柩送還士の仕事。日本初の専門会社で働く人々と遺族の取材を通して、筆者は人が人を弔うことの意味、日本人としての「死」の捉え方を知る。
第10回開高健ノンフィクション賞受賞作 (集英社の紹介より)

考えてみれば自分がもしここで不慮の事故なんかにあったら、一体どうしたらいいのか、ということも考えたことがありませんでした。そういわれてみれば私はどんなに親に心配かけているんでしょうね。なんか申し訳ない気持ちにもなってしまいます。

私たちがもしここで亡くなった場合、遺体をどうするのか、そのまま戻すのか、それとも灰にして戻すのか、お金もいったいどこでカバーされるんでしょう。
だってこっちに住んでしまっているから、旅行保険なんかも入っていないし。ちょっと調べてみないと。疑問はたくさんです。

この方たちはこういうことのプロフェッショナル。そんな彼らの仕事をルポしているこの作品はとても興味深かったです。彼らは死体と向き合うというよりは人間として亡くなった方と向き合い、日本で迎えてくれる。こういう人たちに迎えてもらえるのはある意味幸せかもしれないとまで思ってしまうくらいの仕事ぶり。私ならまともに向き合えることができないかもしれない…。死臭も見た目も大変なことになっているだろうし。

そしてここで考えたのが、この先日本でもし積極的に戦争なんかに参加していったら、彼らの仕事だけじゃ追いつかなくなりきっと別の業者が入って、すぐにおざなりなものになるはず、ということ。

戦争になるというのはそういうこと。

先日オーストラリアから灰がようやく返還されたというニュースがあったがまさにそういうこと。
何十年ぶりの帰国、それが当たり前となり、ひどければ帰ってこない。

親や家族なんかはやっぱり会いたいと思うのだろうし、そうなるとやはり彼らの仕事は必要不可欠。
だけど仕事をする人がいなくなったらこれはもうどうしようもない。
そんなにたくさんの人が就くべき仕事でもないような気もするし。

政府のお偉いさんはまぁ行くこともない戦争でも私たちにとってはリアル。
こういう現実を踏まえて戦争をしたいと思うのだろうか。
残される人のことを、そして大変な思いをして処理をしてくださる人たちのことを考えて、それでも戦争をしたいのかな。

そういうことまで考えさせられた。

私にもしものことがあったときのこともやっぱりこれからは考えなきゃならないんだなー。
なんだかちょっと気分は重くなりましたが、それでも知る必要のある本だったと思います。


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